経営者に学ぶ/坂正範

坂正範 です。様々な経営者の理念や価値観をまとめていきます。

川上量生

川上量生(かわかみ のぶお)

 

1968年生まれ。

京都大学工学部卒業後、コンピューターの知識を生かしてソフトウェアの専門商社に入社。

同社倒産後の97年、PC通信用の対戦ゲームを開発する会社としてドワンゴを設立。

2000年に代表取締役会長に。03年に東証マザーズ上場、翌年に東証1部に市場変更。

独自の発想で携帯ゲームや着メロなどのサービスを次々とヒットさせるほか、06年には、子会社のニワンゴで「ニコニコ動画」を開始。

11年に、鈴木敏夫氏を師匠にプロデュサー見習いとしてスタジオジブリに入社。

14KADAKAWA経営統合し、15年にKADOKAWADWANGO(現カドカワ)社長に就任する。

 

起業というものを考えるときには、「お金を出してもらうゲーム」と「ひとつの事業を成功させるゲーム」という別々のゲームを同時進行してるんだという視点が必要になります。

出典:ルールを変える思考法

 

ライトなユーザーたちが一時的な盛り上がりをつくっていきますが、その後の動向を左右するのは、あくまでコアなユーザーたちです。メーカーの側、ビジネスをする側の人間は、そうした部分を見誤ってはいけません。

出典:ルールを変える思考法

 

僕は、スタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さんに弟子入りを願い出て、2011年にジブリに入社させてもらいました。給料はいただいていませんが、見習いとしての作業をしながら、色々と勉強をさせてもらってます。

そこでは本当に多くのことを学べています。そのなかで感じるジブリのすごい点のひとつは、「現状に慢心している部分がまったくない」ということ。ヒット作の続編をつくる気がないのも、その表れといえます。

出典:ルールを変える思考法

 

僕の考えとして、「できないだろう」ということが、すなわち「したくない」という否定材料にはなりません。

出典:ルールを変える思考法

 

わかりそうでわからないことがコンテンツの本質だとすると、その境界線は、人によって違うということが想像できます。

どの境界線上にコンテンツがあるかによって、「コンテンツの大衆性」が決まると考えています。

出典:ルールを変える思考法

 

ドワンゴを創業したのは1997年ですが、立ち上げ当初は、オンラインゲームの専門の開発会社として設立しましたから、そうしたネットワーク設計に関してはかなり真剣に勉強したものです。

そして、ただ勉強しただけでなく、自分自身がプレイヤーだったために、何が納得できて何が納得できないかを肌で感じられていたのが大きかった。

出典:ルールを変える思考法

 

これまで僕は、何かの仕事を始めるときには必ず、それが”格好いい物語になるか”を考えながらビジネスプランを練ってきました。

それはつまり、これからやろうとしているビジネスが「社会や業界にどんな意味や役割をもっているか」、あるいはされが「歴史的に見てどういう意義が見出だせるものか」を考えるとうことです。

出典:ルールを変える思考法

 

コンプガチャなどがどうして「行儀が悪い」と感じるもかといえば、そのやり方が、「ゲーマーを楽しませること」を目的にしているようには見えないからです。

つまり、サービスとしてではなく、利益追求の手段として、確率などの操作をしている印象を強く感じてしまう。ゲームやサービスを面白くするため、ユーザーに楽しんでもらうためではなく、「いかにお金を使わせるか」ばかりを考えているように見えてしまえば、やはりユーザーは離れていきます。

ビジネスとして考えれば、お金を儲ける方向へと進むのは当然のことですが、それが極端すぎてはマイナスに作用する。長い目で見ると、ユーザーに愛想を尽かされない方向でゲームやサービスを盛り上げていくのがいいのです。

出典:ルールを変える思考法

 

超会議もジブリ弟子入りも、あとからその意味がわかった。

出典:ニコニコ哲学 

 

今になってみると、超会議が必要な一手だったって明確に説明できるし、理解できるんですけど、判断した当時はわからなかった。

僕がスタジオジブリに行ったこともそうです。あれこそ、行くと決めたときは個人的な衝動に駆られただけで、なんの計算もしていませんでした。

出典:ニコニコ哲学

 

出版社ってコンテンツをつくるというよりも、プラットフォームとビジネスモデルを提供するところだと思うんです。

出典:ニコニコ哲学

 

コンテンツビジネスをしていないプラットフォームというのは、とにかくコンテンツの値段を下げようとするということです。ユーザーが集まってプラットフォームが拡大すれば、あとで帳尻を合わせられるから。プラットフォームの拡大時期においては、コンテンツなんかスーパーの特売の卵みたいなもので、客寄せのツールなんです。

出典:ニコニコ哲学

 

任天堂のような自分でコンテンツをつくっているプラットフォームは、コンテンツの値段を下げません。むしろ、ゲーム機本体を安く売って、ソフトの売上で回収しようとする。だから、任天堂のゲームのソフト値崩れが起きなかったんです。最終的にコピーが可能だったPCゲームではなく、ゲーム機ビジネスで任天堂が勝った理由は、

コンテンツの値段が下がらなかったからです。

出典:ニコニコ哲学

 

やっぱり経験なんですよ。実戦経験のない軍隊は弱いってことです。実践を重ねるしかないと思います。

出典:ニコニコ哲学

 

現実社会に対して、恨みを持っている人たちが多いです。ネットに集まるヒマな人たちはそうですよね。限られた情報の中で判断しちゃう人たち、ということですよね。でも、それがネット特有なのかは、よくわからないです。右傾化している人達が言っていることはすべて間違っているのかというと、あってる部分もありますし。既存のメディアが言うことも、あっていることもあれば、間違っていることもある。

出典:ニコニコ哲学

 

でも僕は、やる前提でリスクの計算をするので、やらないということにはなりません。

出典:ニコニコ哲学

 

ネット時代では手離れがよい楽なビジネスだと、プラットフォームが有利になりすぎてしまいコンテンツ側が不利なのです。大量複製して大量販売するだけのコンテンツ側にとって夢のような黄金時代は終わって、ネット時代には昔のように手離れの悪い地道な客商売が大切になるのです。

出典:鈴木さんにも分かるネットの未来

 

コンテンツではなくプラットフォームが顧客を持っている構造だと、コンテンツ側は自分の顧客にアクセスするためにプラットフォームの助けが必要です。ビジネスをしたければプラットフォームと取引するしかありませんので、レベニューシェア(売上分配)の比率がプラットフォーム側に有利に変更されても文句はいえません。

出典:鈴木さんにも分かるネットの未来

 

プラットフォームの協力なしで販売できる顧客の数を確保するということが、収益をあげるうえではとても大事な財産になるのです。

出典:鈴木さんにも分かるネットの未来

 

僕の予想ですが、現在のウェブでの情報の爆発にともなう内容の低レベル化を考えると、無料上で広がっているハイパーリンク網とは別に、有料の電子書籍間でのハイパーリンク網が、インターネットの新たな知のネットワークを構築する可能性があるんじゃないかと期待しているのです。

出典:鈴木さんにも分かるネットの未来

 

ただ思っているのは、株価だとか利益だとかに縛れるような生き方はぬるいということです。本来、会社というのは生存競争だから、死ぬか生きるかです。だから僕は生き残ろうとはしています。生き残ろうと考えると、今期の利益がどうこうとか、株がどうこうということにとらわれるのは、ベンチャー企業にかんしては、「そんな甘ったれたことを言っていて大丈夫なの?」と僕は思います。

出典:カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言2

 

僕は既存のビジネスをやりながら新規事業をやるのは無理があると思ってます。新規事業は自分のすべてを注ぎ込まなくちゃいけないのに、本業があったらできませんよ。

出典:起業家のように考える

 

僕がやろうとしているのはわけがわからない事業だから、みんな逃げます。説得は無理なので、巻き込もうとせず勝手にやったほうがいいんです。

出典:起業家のように考える